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【FoEジャパン】バイオマス発電の燃料の調達状況や持続可能性の確認に関するアンケート結果公開

2021.3.31

https://www.foejapan.org/forest/biofuel/210330.html

国際環境NGO FoE Japan は、バイオマス発電事業者及びバイオマス燃料調達に関わる商社や出資企業に対し、バイオマス発電の燃料の調達状況や持続可能性の確認に関するアンケートを実施し、その結果を公表しました。

アンケートは、発電容量1万kW以上の発電所を有する主な発電事業者とその出資企業及びバイオマス燃料の調達を行う商社等の計204社を対象に2021年1月12日から2月12日にかけて実施し、44社から回答を得ました。

調査の結果、回答のあった稼働中の発電所21ヶ所のうち17ヶ所が、また、計画中の発電所17ヶ所すべてが輸入燃料(木質ペレット、木質チップ、パーム椰子殻(以下PKS))を利用もしくは予定していることがわかりました。燃料の生産国は、木質ペレット及びチップは、アメリカ、カナダ、インドネシア、ベトナム、マレーシアの5カ国、PKSはインドネシア、マレーシアの2カ国でした。

稼働中の発電所のうち、輸入木質ペレットや木質チップを利用する7発電所の全てで、森林認証制度(※注)による燃料の持続可能性・合法性の確認を行っていると回答しましたが、うち3発電所では、サプライヤーがCoC認証を取得していることのみを確認し、燃料自体の認証(FM認証)を確認していないとの回答でした。同様の回答は、燃料の調達・供給を行う商社等からも多く得られました。

CoC認証は、認証製品と非認証製品と分けて管理する能力を有していることを保証するにすぎず、森林認証(FM認証)とCoC認証はセットで利用しなければ持続可能性・合法性を確認できません。よって、アンケート結果は、複数の発電所でFITの要件である燃料の持続可能性・合法性が担保できていない可能性があることを示しています。

また、PKSを利用する稼働中の発電所12ヶ所のうち、第三者認証制度を利用するのは1ヶ所のみで、11ヶ所では、「独自の取り組み」によって持続可能性・合法性を確認していると回答しました。PKSは、FITの「事業計画策定ガイドライン」において、取り組みの内容と燃料調達元となる農園の情報を自社のホームページ等で開示することを条件に、2022年3月末までに定められた認証を取得すればよいことになっています。しかし、12ヶ所のうち、現時点で農園等の情報をホームページで公開をしている企業はありませんでした。

バイオマス発電事業への出資の際に、燃料生産にあたり、森林減少・劣化や生物多様性の減少が生じないことを確認していると回答した企業は、出資企業17社中14社にのぼりましたが、事業のライフサイクルにわたるGHG排出量を確認している企業は、1社にとどまりました。(以上、抜粋)

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FoEアンケート結果概要

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Added:2021-03-31 03:11:24
Updated:2021-03-31 03:11:24